2023.07.07
健康&ビューティ
ハナビラタケ もりのわ
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白く可憐な花が何層にも連なったような見た目から、そのキノコにつけられた名前は「ハナビラタケ」。自然界では夏から秋の季節、標高1,000m以上の針葉樹の根元に自生するが、見つけることが難しく市場への流通量も少ないことから“幻のキノコ”とも呼ばれる。
シイタケやエノキダケといった様々な品種と同様、サラダや鍋など様々な料理でおいしく食べられる。けれど、こりこりとした歯ごたえや、どんな食材とも調和しあう優しい香りと味わいからは、これまで食べてきた他のキノコとはちょっと変わった印象を受けるだろう。試しに食べてみて、その風味や食感に思わず「こんなキノコがあったんだ」と口にする人も多いという。
そんなハナビラタケの人工栽培において国内でも有数の体制とノウハウを持つのが、富山県でキノコの菌床(培地)の製造や生産、販売を手がける企業、もりのわだ。
ナラやカラマツなどの間伐材のおが粉やチップに、米ぬかなどの栄養体を加えて菌床を作り、そこでキノコを育てる「菌床栽培」に取り組んでいる。主力商品のシイタケやキクラゲに加え、2020年から新たにつくり始めたハナビラタケの生産量は前年度170トンに達した。
キノコは日常的な食材として生活に定着している分、おいしさの違いを改めて意識することは多くないかもしれない。だからこそもりのわは、育てる菌種や水にこだわること、品種ごとの特徴や味わい方を消費者にわかりやすく伝えることを大切にしてきた。
とくに、ハナビラタケはまだ認知度が高くないため、スーパーマーケットなどの店頭に並ぶまでには高いハードルがある。家庭で親しまれる次なる品種として仲間入りさせられるよう、その魅力の発信に力を入れる。
同社の春日勝芳社長は「β-グルカンを他品種のキノコより圧倒的に多く含んでいるのが大きな魅力の一つ」といい、とくに料理や健康への関心が高い人におすすめしたいと話す。その栄養や幅広い活用法から、プロの料理人から「メインにも脇役にもなれるスーパーキノコ」と評されることも。そこで、実際に料理人らの協力を得て、インスタグラム(@hanabiratake_morinowa)などを通じてハナビラタケを活用したレシピを多数紹介している。
また生産過剰分のハナビラタケや規格外の野菜を具材にした、お湯をかけるだけのフリーズドライの味噌汁やスープといった加工食品の開発も行っている。
美味しい味わい方を伝えると同時に、もりのわが大切にする価値観がふたつある。それはキノコの生産や販売を通じて「心豊かな食生活に貢献すること」。さらに「地球の健康に貢献すること」だ。
もともと長い歴史を持つ菌床の生産会社だった同社。春日さんが2018年に経営についた際に“森の環”という商号にあらため、「森に始まり森に還る」という言葉のもと、企業の経営理念や行動指針を明確に定めていった。
「“心豊かな食生活”は、健康で和やかで、心がうれしくなる食卓をイメージしています。“地球の健康”には、人も自然の一員であるとの思いを込めています。人びとの心を豊かにし、環境問題の解決にも貢献する。そんな農業の新しい価値を創造したいと挑戦しています」
キノコを育てる菌床には、地元の富山を中心に北陸地域の間伐材を積極的に活用する。使い終えた菌床も廃棄せず、肥料や休耕地の土壌改良のために再利用している。工場設備には太陽光や地熱といった自然エネルギーを導入し、森や自然のエネルギーをそのまま家庭に届けるというサイクルにこだわっている。こうした取り組みは地元企業のSDGsモデルとして注目されるようになり、いまでは年に何度も、学校の授業などを通じて多くの子どもたちが工場を訪ねるようになった。
「ハナビラタケはまさに、私たちが大切にしているふたつの思いをあらわす商品なのです」と、春日社長は力を込める。