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インタビュー

2022.08.02

SDGsマーケット

水は不要、封を切るだけ 誰一人取り残さない7年保存食

グリーンデザイン&コンサルティング


「これが保存食の味?」。そんな感想が漏れるはずだ。さわやかな酸味のトマトリゾットに、ふんわり食感のメープルパン。「味は我慢」という保存食の当たり前は、過去のものになっている。

グリーンデザイン&コンサルティングの「7年保存レトルト食品」や「7年保存レトルトパン」「7年保存クッキー」は、サッと封を切るだけで食べられるパウチ入りのレトルト食品だ。「条件がゼロに近い食品というのが、保存食のあるべき姿」とは、代表取締役の笠浩一郎さん。「条件がゼロ」? いったいどういうことだろう。

東日本大震災の頃、備蓄用の食品といえば「3年保存」が主流だった。その後、水や湯を入れるだけで食べられるアルファ米が広まり、保存期間も5年がスタンダードになった。だが、笠さんは考えた。「もし水が手に入らなかったら、どうする? もし水も凍ってしまう寒い日だったら?」。そして生まれたのが「7年保存」シリーズだ。

3日分の保存食や水、食品加熱セットも入った「7年保存食品3日分セット」

「『7年保存レトルト食品』は水もお湯もいらない。水分量を調節することで湯煎せずに食べられるようにした」と笠さん。災害への備えとしてはもちろん、アウトドアやレジャーにもいいし、職場に置いておけば小腹が空いたときにパッと食べられる。食べるために必要なものや、必要な条件をとことんなくす、それこそがグリーンデザイン&コンサルティングがめざす保存食のあり方だ。

製造でタッグを組むのは、自衛隊の戦闘糧食や保存水を作ってきたグリーンケミー。同社のノウハウを生かし、調理済みの食品が入ったパウチを高圧釜で加熱・加圧し殺菌することで、長期保存を可能にした。

「7年保存レトルト食品」はわかめご飯、カレーピラフなど、ご飯ものが6種類。どれも、食物アレルギーを引き起こす特定原材料など28品目を使わず、ハラル対応だ。パッケージは日本語と英語の2カ国語表記で、さらにQRコードを読み取ると23の言語で原材料や栄養成分を見られる。「保存食が食べる人を選んではいけない」とこだわり抜いたデザインは、東京オリンピック・パラリンピックでの6万食の提供にもつながった。


「3年後には、すべての商品を10年保存にしたい」と笠さんは言う。保存期間が延びればそのぶん、備蓄品を交換するときの食品ロスを減らせるからだ。さらに長い賞味期限を確保できれば、次の使い道として飢餓に苦しむ国々への食糧支援にもつなげられるかもしれない。そのために、いまも経年検査の最中だ。

「災害多発国・日本の保存食の進化を、世界の人に知ってもらいたい」と笠さん。メイド・イン・ジャパンの保存食は、誰一人取り残さない、ユニバーサルな食べ物へと進化を続けていく。