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GOOD LIFE フェア2024

インタビュー出展者に聞きました

2023.08.28

SDGsマーケット

奄美大島の癒やしをひとしずくに 月桃香るCBDオイル

AMATSUMIZU


鹿児島本土と沖縄本島のほぼ中間に位置する奄美大島。森が広く分布し、アマミノクロウサギとアマミヤマシギといった希少生物が息づく。そんな大自然は2021年に世界自然遺産にも登録され世界的に知られているが、訪ねたくなる魅力はほかにもある。

奄美大島で生まれ育った建築家、山下保博さんが語る魅力のひとつは、「島人たちによって継承されてきた伝統文化と島を包む雰囲気」だ。

島には薩摩藩の統治下だった時代から300を超える集落がいまも維持されている。「7割は共通し、3割は集落ごとに文化や習慣が違う。そのようにゆるやかにつながりあいながら、地域ごとに伝統が残されてきました。観光地の沖縄とはちょっと違って、たとえば地元の祖母の家に帰ったような時間を奄美では過ごせると思います」


山下さんは建築家として、注目されていない素材を新たに建築素材として活用し、地域活性に役立てる取り組みを続けてきた。同じ視点で故郷を見つめ直すと、観光というよりも「リトリート」(回復)の場所としての奄美の価値に気づいたという。以来、その価値を広く発信するための様々なプロジェクトに取り組み始めた。

代表的な取り組みが2016年から展開してきた「伝泊」という宿泊施設だ。雄大な海と向き合って過ごせる「伝泊 The Beachfront MIJORA」、島の風土に根ざした伝統建築を再生した「伝泊 古民家」、伝統工芸品のギャラリーや食堂を併設し島人と交流できる「伝泊 奄美 ホテル」という3つの宿の種類がある。集落文化の体験プログラムなどを通じて、集落住民のひとりという感覚で島の日常を感じることができる。


そして昨年、島の魅力をより身近に感じてもらうための新しいプロジェクトとして、CBDオイル「AMATSUMIZU」を開発した。原料の一部には、奄美大島に広く自生し、薬草としても使用されている月桃(ゲットウ)を使っている。

「奄美の人びとにとって、月桃はサネンと呼ばれ、とても身近な植物です。庭で育てた月桃を摘んで、お餅を包むなどの食用に日常的に使われてきました」と山下さん。なじみ深い月桃と近年注目されるCBD(カンナビジオール、麻から抽出した成分)の魅力を掛け合わせ、オイル、ミスト、クリームの3種類の商品ラインアップを開発した。

オイルは舌下に垂らして粘膜から摂取するほか、お茶に加えたりして取り入れられる。ミストは手軽に保湿したい時や気分をリフレッシュしたい時に顔や身体に吹きかけ、さっぱりとした使い心地を楽しめる。クリームは入浴後や就寝前、運動後のセルフケアなどとして身体に塗って使うことができる。


開発にあたっては、奄美大島を大切にしたいという想いに共感する北欧発の大手CBDメーカーと連携し、誰でも安心して使える安全性や品質に強くこだわった。その一方で、月桃の収穫や加工は島内の障がい者就労支援施設に依頼し地元雇用の創出につなげている。

「奄美には“みんな一緒”を意味する『まーぐん』という言葉があります。魅力ある島であり続けるためには、商品を通じて周囲を巻き込んで、関わってくれる人を増やすことが大切。そんなまちづくりへの思いを、寄せ合って生まれた商品でもあります」と山下さんはいう。現在は「伝泊」の施設内店舗や通販ショップでの販売に限られているが、今後はサステナブルや自然への関心が高い人に幅広く試してほしいという。

ブランド名の由来となった「天つ水」は古語で、「天から降りそそぐ雨」を指す。人間が古くから恵みの雨として大切にしてきた自然。商品を通じてそんな記憶をたどり、奄美を知るきっかけを得てほしい。自分と向き合うひとときを通じて心身を整えてほしい。日常を忙しく過ごす人を思う気持ちが、商品には強く込められている。