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インタビュー

2022.08.29

SDGsマーケット

小さなベランダでも十分 都会で叶える家庭菜園のある暮らし

UETE


小さなベランダや軒先で、家庭菜園のある暮らしを実現できる――。「UETE」は、180年以上の歴史をもつ大手種苗メーカーのタキイ種苗が2021年10月に始めた新しいブランドだ。「若い人に園芸に興味を持ってもらいたい」と部署を超えて集まった若い社員の自由な発想を取り入れ、20~30代向けのブランドとして立ち上げた。初心者向けの野菜栽培キットを中心に扱う。

こだわったのは、簡単であること、そしておしゃれであること。

まず、多くの初心者が直面する「始めたいけど、何をそろえればいいかわからない」というハードルをなくそうと、種、土、肥料に、プランターや育て方のマニュアルを同梱した「スターターセット」を開発した。育てやすく失敗しにくい種や苗をはじめ、「中身はどれもタキイのブランドが自信をもってお薦めする商品ばかり」と通販部の大島真菜美さん。


プランターを麻袋にしたのは、おしゃれに育てたいという若い世代を意識してのこと。小さいもので25cm四方というコンパクトなプランターや、インターネットに特化した販路は、現代人の多様なライフスタイルを反映している。

「園芸は難しそうというハードルをいかに下げられるかが大切。楽しそうと思えるものを提供できれば、それが、始めてみたい方の背中を押すことになるのでは」と通販部の渡部尚人さんは話す。

栽培する野菜のラインアップは、色鮮やかで見た目にも楽しいものばかり。リーフレタスやラディッシュといった初心者向けの定番はもちろん、バジルやパクチーなどのハーブ、コールラビ、スイスチャードといった珍しい野菜も取りそろえる。こうした品ぞろえには、アンバサダーと呼ばれるのべ300人のユーザーの声も生かされている。

アンバサダーはUETEのキットで野菜を育て、栽培記録をインスタグラムに投稿。渡部さんたちは、キットが実際どのように使われているか、季節ごとに多く寄せられる声、ユーザーがつまずきがちなポイントを吸い上げ、商品の開発やWebマガジンでの情報発信につなげている。


また、インスタグラムではユーザーの質問も受け付ける。「今こういう状態なんですけど、次は何をすればよいですか?」「連休で遠出する間の水やり方法は?」。育てる環境や、生育過程は人によって様々。それこそが園芸の楽しさとも言えるが、全てがマニュアル通りにいかない難しさでもある。そして一度失敗すると、園芸に苦手意識をもってしまいがちだ。だからこそ「成功体験を味わってほしい」と、寄せられる質問には一つひとつ丁寧に答える。

「小さな種から少しずつ大きくなっていく過程や、収穫できるようになったときの達成感を楽しんでもらいたい」と渡部さん。害虫や病気への対策をアドバイスすることも多く、UETEでは今後、防虫ネットや鉢皿などの資材も扱っていくことにしている。

「自産自消」。UETEがめざすのは、自分で育てて収穫し、食べる楽しさを大切な人と共有するライフスタイルの実現だ。「自分で育てた野菜は、我が子のように愛着が湧くんです。市販のものより何十倍もおいしく感じますし、頑張って育てたものを子どもがパクパク食べてくれたときは本当にうれしい」と大島さん。

季節や天候の変化を感じながら、土に触れ、成長を見守るひとときは、都市での暮らしにきっと喜びと潤いを与えてくれる。