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インタビュー

2022.09.08

雑貨&ファッション

「履き心地」第一の靴づくり サステナブルな新ブランドも

ローウェルジャパン

FITJOYのスニーカー

レザースニーカー「FITJOY」を履いたときの、踏み出す足の軽いこと。素足のような感覚に、一歩ごとに驚かされる。足元だけでなく体全体が軽くなったような心地よさに、仕事帰りの地下鉄の階段も思わず駆け上がりたくなる。

ローウェルジャパンの「FITJOY」は2017年にスタートした初の自社ブランドだ。大切にしたのは、履き心地の良さ。そのための柔らかさと軽さを追求するため、アッパーには牛革よりも薄いシープスキンを採用した。中でも「FITJOY」が使うのは、世界中を探してようやく見つけた「靴下や足袋のように柔らかい」超ソフトな羊革だ。

代表取締役・徳原将貴さんは言う。「靴によく使われる牛革は丈夫で、量が多く取れるぶん生産効率がいい。一方シープスキンは絶対量が少なく、やわらかいから扱うにも手間がかかって大変で、誰もやりたがらない。でも、人がやらないことをやった先に、素晴らしい靴ができるという確信があった」

ローウェルジャパンは、1995年設立の靴の企画・販売会社だ。本革を使った高価格帯の靴を中心に、女性向けのファッションシューズやウォーキングシューズなどOEMを数多く手がける。99年からは台湾の企業と組み、技術力に信頼を寄せるカンボジアの工場で一貫して製造している。

FITJOYのシューズ

「一言で靴といってもいろんなジャンルを扱っている。革靴もスニーカーも、レディースもメンズも、ヒールやサンダルに至るまで、すべて作るメーカーは世界でも珍しい。ビジネスシューズをバックグラウンドに時代の流れに対応していたら、いろんなものを作れるようになっていた」と徳原さん。国内外の有名ブランドからのオーダーが引きも切らないのは、高い技術力への信頼の証しだ。

「FITJOY」を立ち上げたのは2017年のこと。この頃、徳原さんは業界の潮目の変化を感じていた。「シーズンごとに流行があって、各社がそれを追って似たようなものをどーんと作り、どーんと売る時代が変わりつつあった。個々人がネットで情報を見られるようになり、ファストファッションやユニクロが自分たちで商品を企画し、売る時代。消費全体の勢いも落ちる中、人に言われたものを作るだけではいけないと思い始めた」

長年の靴作りのノウハウがあるとはいえ、市場では無名のブランド。そこで徳原さんたちはまず、百貨店のポップアップで商品を売り出した。各地で自ら店頭に立ち、手にとった人がその軽さに驚く様子や、複数買いの客、親子で買ってくれる客の姿も目の当たりにした。

5年間かけて5000件以上集めたアンケートには、「旅行でヨーロッパの石畳を歩いても疲れなかった」「もう何足もリピートしています」とうれしい感想がつづられる。もちろん、改善点が見つかれば都度、商品のバージョンアップにつなげている

ローウェルジャパンの新ブランド「NATUREJOY」のスニーカー

そして、2022年9月にはサステナブルな素材を使った新ブランド「NATUREJOY」を本格的にスタートさせる。「我々は小さい会社だから、大手メーカーのように素材の開発はできない。だから、一つの素材にこだわらず、そのときそのときで世界の市場から調達可能なサステナブル素材を組み合わせて使っていく」

もちろん履き心地は、最優先だ。消費者が靴に求めるのは、何よりも履いていて楽しくなること。それはアンケートで確信している。「そこに付加価値としてサステナブルが加わることで、『なおさらいいね』となるのが理想です」と徳原さん。

「足の健康は、体全体の健康に直結する。靴という商品を通じて、健康で楽しい生活、人生のお手伝いをしていきたい」