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インタビュー

2022.08.08

SDGsマーケット

紙に迫る電子ペーパー 手書きに求める「良質な思考時間」

クアデルノ

「書ける」と「読める」が進化した2代目クアデルノ

紙の上に書いているような滑らかな書き心地、紙のように薄くて、軽く、そして読みやすい――。2021年7月に発売された2代目「クアデルノ」は本物の紙に一歩肉薄した最新の電子ペーパーだ。

サイズはA4版(重さ368g、厚さ5.7mm)とA5版(同261g、同5.9mm)の2種類。軽くて薄いが、スキャナーのほか、Wi-FiやUSBケーブルで接続してスマホやパソコンからPDFを取り込めば、大学ノート約20万冊相当のデータを保存できる。

保存したデータを呼び出して自由に書き込みができる

保存データを画面上に映し出して書き込みやリアルタイムでの共有も簡単。この手の電子デバイスは、進化するたびに様々な機能が付加されがちだが、クアデルノは違う。富士通クライアントコンピューティングの松下季さんは「機能をそぎ落とし、とにかく使いやすさに徹底的にこだわりました」と話す。

工夫の一つがペンだ。初代はペン側に内蔵していたリチウムイオン充電池をなくして軽量化。さらに文具のように筆圧に応じて文字の太さも変えられるようにした。EInkと呼ばれる電子インク技術を搭載した画面の方も反応速度を20%高めた。1回の本体充電で最大2週間使い続けられるのも利便性にこだわってきたからこそだろう。

文字だけでなくイラストやデザインにも活用できる

もとは環境保護の観点から職場のペーパーレスを促進するツールとして、仕事を抱える大人たちを想定して発売されたクアデルノ。最近は主婦や学生らにも利用が広がる。勉強用ノートや絵日記、自作テンプレートなど、さまざまな用途が利用者のSNSを通じて拡散する「現象」が起きているという。

自分らしさへのこだわりを持つ利用者向けに、2代目の発売に合わせて本体を保護する専用カバーを別売りで発売。さらにドイツの老舗文具メーカー「LAMY」ともコラボしてデジタルペンもオプションに加わった。

職場でも家庭でも、そして学校にもパソコンが普及する現代社会。手書きとは疎遠になり、時間に追われるいま、問われるのは「良質な思考時間」の確保だ。「たとえばパソコンで何か資料を作る時、いきなりキーボードをたたき始めるよりも、まずは手書きでイメージを膨らませる方が良いものができるはず」と松下さん。

パソコンに向き合う前に、自分と向き合う道具として。電子ペーパーを一度そのように考えてみるのも悪くはない。