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インタビュー

2022.09.02

SDGsマーケット

空間も、心も、未来も ソーラーランタンが照らすもの

ランドポート


太陽の光を自由に持ち運べたら――。そんな願いを叶えてくれるのがソーラーランタン「CARRY THE SUN(キャリー・ザ・サン)」だ。本体を太陽光に当て約8時間充電すれば、LEDライトが最大72時間点灯する。使用時にはサイコロ型だが、コンパクトに折りたためる上、軽くて持ち運びにも便利。防水仕様でシーンを選ばず、屋内外で自在に使える優れモノだ。

発売元のランドポート(東京都千代田区)は1990年設立。もともとパソコンソフトやデジタル機器などの販売を手掛けていた。2000年前後になると、地球温暖化がより大きく注目されるようになる。「環境問題には学生の頃から関心がありました。それで、15年ほど前から、太陽光を使ったスピーカーなどを企画・販売し始めたんです」と社長の傳馬綾さん。「CARRY THE SUN」の原形となるソーラーランタンを2015年に売り出した。

傳馬さんの「原点」は1995年の阪神・淡路大震災だ。当時、傳馬さんは東京で暮らしていたが、神戸の実家が被災した。幸い両親は無事だったものの、故郷の街は壊滅的な被害を受けた。インフラは寸断され、電気も供給されず、夜は闇に包まれた。

「震災翌日に現地に入りました。その時、思ったんです。明かりって、ただ周囲を照らすだけでなく、人の心をホッとさせる力があるんだな、と」。この経験が、環境への関心と相まって、ソーラーランタンの開発に結びつく。


当初は主に防災グッズとして売り出した。「ところが、お客様の声に耳を傾けると、キャンプや山登りに持っていかれる方も少なくない。さらに、シンプルなデザインにしたためか、自宅の間接照明や常夜灯として普段使いされる方もいらっしゃると分かったんです。病院では、夜間の巡回時にペンライトの代わりに使っている看護師さんもいらっしゃいました。これらは嬉しい想定外でした」。副社長の川添裕史さんは振り返る。

この商品には大きな可能性がある――。そう確信し、これまでの事業を全て整理してソーラーランタン一本に絞ると決めた。「避難所では明るすぎない光がほしい」といった顧客ニーズを丁寧に汲み取り、明るさを強・中・弱の3段階にするなど改良。2019年、太陽を持ち運ぼうという意味を込めて「CARRY THE SUN」として販売した。

災害は、ある日突然やってくる。使い慣れない専用グッズをそろえるより、普段使いの「CARRY THE SUN」をそのまま利用できれば心強い。もちろん、海や山にも手軽に持っていける。実用性だけでなく、デザイン面でも優れた「CARRY THE SUN」は、あらゆるシーンに調和する。使用時のサイズは手のひらに載るほど小さい。


ランドポートは途上国支援の活動「Buy One Give One」にも力を注いでいる。「公式ストアでご購入いただくと、同じ数だけ私たちが『CARRY THE SUN』を途上国などに寄付する取り組みです」と川添さん。本格的に始めた2020年からこれまでに、タイやベトナムの山岳地帯などに計数千個を寄付したという。

世界には、まだ十分に電力の恩恵を受けられない人たちがいる。太陽光さえあれば「CARRY THE SUN」は明かりを灯せる。子どもたちは夜に読書ができ、不安なく夜道を歩け、家族で食卓を囲めるはずだ――。そんな思いから生まれた取り組みだという。

寄付先には原則、同社が直接届け、購入してくれた客には現地の様子をメールなどで報告する。「Buy One Give One」に参加する意味を、よりリアルに体感してほしいと考えるからだ。

傳馬さんは言う。「環境を考えてモノを買うのは当たり前の時代になりました。そこからもう一歩進めたいと、私たちは思っています。商品を購入する際、自分だけでなく、他人のことにも思いをはせる。それが、さらに地球環境を考え、世界中の人たちと仲良くするきっかけになるんじゃないかと、夢見ているからです」

暗闇だけでなく、心までも明るく照らすエコでサステナブルな万能ランタン。優しい灯りを、あなたもぜひ体感してほしい。