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GOOD LIFE フェア2024

“自助”の大切さ伝える「黒のカリスマ」 蝶野正洋さんが2日のステージに登場しますFEATURES ― ステージ・セミナー ―

9月2日午後12時半から、GOOD LIFE フェアの「みらいステージ」に、プロレスラーの蝶野正洋さんが登場します。悪役レスラーとして活躍し「黒のカリスマ」と呼ばれた蝶野さんですが、実は日本消防協会・消防応援団として活動する一面も。ステージでは「関東大震災から100年 蝶野正洋と考える、災害からいのちと街を守るヒント」と題して、防災のプロと語り合います。蝶野さんが地域防災や救急救命の啓発に力を注ぐ理由を聞きました。

俺が「防災」って言われてもピンと来ませんよね。いまでこそ月1、2回はイベントに呼ばれて防災の話をするけど、最初は全く関心がありませんでした。

きっかけになったのは、2010年に受けたAEDの救命救急講習。2005年に(同期の)橋本(真也)選手が亡くなり、2009年に三沢(光晴)さんがリングで倒れました。三沢さんはライバル団体でしたけど、社長で看板レスラーだった。とにかく忙しかったし、心労もあったんだと思う。20年もやっていればケガも増えていくのに、自分の体のケアをする時間もなく、普段受けていたような技で亡くなってしまいました。

リング上の事故には、業界も委員会をつくって取り組んでいました。でも俺が2010年に新日本プロレスを辞めたこともあり、個人として何か出来ることはないかと思ってAEDの救命救急の講習を受けました。

2011年の東日本大震災では、発生翌月に(アントニオ)猪木さんから号令がかかって、被災地にトラック3台分の水や子ども服を届けに行きました。当時はそういうことをすると“売名行為”と見られる雰囲気もあったけど、ボランティアや医療団の人たちと3台のバスに乗ってね、現地の市役所で物資の足りない場所を聞いて、結局4、5カ所回ったと記憶しています。

後に東日本大震災では、254人の消防団員が犠牲(死亡または行方不明)になったと知りました。彼らは、逃げ遅れた人がいないか確認していたり、避難しない住民を説得していたり……。それを俺は、人々の「自助(=自分の身を自分で守ること)」が足りなかった、と捉えたんです。みんながきちんと逃げられていたら、彼らの犠牲はなかったはずだ、と。

みんな「何かあったら消防や警察が来てくれる」と思いがちだけど、東日本大震災では違った。救急車って数万人に1台しかないんですよ。それを体が不自由な人や高齢者、弱者を救うために使うには、ほかの人たちの「自助」が大切になる。そのときからです、イベントなどで「自助」の大切さを伝えるようになったのは。

俺も、日ごろから、子どもと落ち合う場所を確認しておくとか、現金や毎日飲んでいる薬を手元に持っておくとか、そうしたことはしています。この前は地震が多かったから、子どもに「気をつけて」って声を掛けたんですよ。で、「逃げるとき、何を持っていく?」って聞いたら、「(ニンテンドー)DS!」って(苦笑)。俺は「それは違うだろ」って返したんだけど、後々、消防の方に聞いてみたら、それでいいらしいんです。「避難所での生活は長期間になるかもしれない。だから自分の好きなもの、集中できるものは持っていった方がいいんです」って。

地震は突然来る。だから、事前の「情報」が大切だと思います。たとえば、地震が起きたらエレベーターが止まって復旧まで1週間かかるかもしれない、と事前に知っていたら、備えも変わってくる。あるいは、目の前で倒れた人がいたとしますよね。それを見て、無視はしないでも、その後の予定が頭をよぎるかもしれない。この人を助けていたら遅れちゃうな、とか。でも、救急車が全国平均で9.4分で来ると知っていたら、「10分待てばいい」とイメージできるようになりますよね。事前に知っているかいないかで、行動は変わってくる。

それは家族でも、地域でも同じだと思うんですよね。一人ひとりの心がけで全体が変わる。GOOD LIFE フェアでは、そういう話ができたらいいですね。

ステージ情報

9月2日(土) 12:30~ みらいステージ

関東大震災から100年 蝶野正洋と考える、災害からいのちと街を守るヒント

蝶野 正洋(プロレスラー/日本消防協会・消防応援団 )
小林 正樹(三和商事 代表取締役/首都圏防災士連絡会 理事)
宍倉 朋胤(社団正朋会 宍倉病院 理事長/首都圏防災士連絡会 理事長)
彦田 好之(葛西消防団 副団長/トライチャーム 代表取締役)

今年9月1日は、関東大震災から100年目の節目となる防災の日です。いざというとき自分の命をどう守るか、そして地域をいかに守るか。プロレスラーの蝶野正洋さんと防災のプロのトークセッションを通じて、大切な考え方と実践方法を家族で楽しく学べます。