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GOOD LIFE フェア2025

インタビュー出展者に聞きました

2022.08.10

健康&ビューティ

医者がスマホの中に。オンライン診療で、生活に彩りを

DMMオンラインクリニック


薬をもらうためだけに病院へ。土日は休診だから、平日に仕事を休むしかない――。そんな煩わしさをなくそうと生まれた「DMMオンラインクリニック」は、オンライン診療のプラットフォームサービスだ。医師のオンライン診療から処方薬の配送をワンストップで受けられる。IT大手「DMM.com」と、オンライン診療の先駆け「新六本木クリニック」が2021年12月から共同で運営している。

診療内容は、ピルや、飲む日焼け止めの処方をはじめ、メディカルダイエット、メディカルスキンケアなど10種類(2022年7月現在)をそろえる。「生活に彩りを与え、自信をもって気持ちよく暮らしてもらうためのサービス。病気の治療というよりも、生活の満足度を上げる診療内容が多い」と、新六本木クリニック院長の来田誠さんは話す。

サービスでは、DMM.comの企業規模と知名度を生かすことで、物流やマーケティングのコストを大幅にカット。それによる薬の安さに加え、最短1時間で受け取れるというスピードも実現した。配送先を自宅はもちろん、コンビニや郵便局、宅配ボックスなどから選べたり、土日も診療を受けられたりする使い勝手の良さも強みだ。

一方で、オンライン診療にはやはり、聴診や採血ができないといった制約がある。ほかの医療機関に先駆け2016年にオンライン診療を始めた来田さんは、同様のサービスが増えつつある業界で、「本来なら検査や処置が必要なタイミングなのに、オンラインでしかできない選択肢に終始してしまう、オンライン診療ありきの人たちも多々見てきた」という。


だからこそ、こだわるのは問診の丁寧さだ。「患者さんにデメリットを与えないことが大事。オンライン診療の情報収集不足が原因で、薬の選択をまちがえたり、投与してはいけないタイミングに与えたりといったことが起こるのは、絶対にないよう心がけている」

たとえば高血圧の患者なら、血圧の記録や主治医の許可、あるいは服薬や健康診断のデータを確認する。そして、オンラインで対応できないと判断したときは、その理由や、どうすれば薬を処方できるかを丁寧に伝え、クリニックに来るよう勧めることもある。それが、患者を守ることにつながるからだ。

サービスは薄毛やEDといった、デリケートな領域もカバーしている。以前、診療を受けた地方在住の男性は、近くにEDの薬を処方する病院がなく、かといって規模の大きな病院に行けば知り合いに会ってしまう、と治療に二の足を踏んでいた。

だが、オンラインでなら周りに受診を知られることはなく、薬も翌日には受け取れる。DMM.comヘルスケア事業部長の岡部篤史さんは「クリニックの門をたたくにも緊張するようなことでも、オンラインなら自宅やリラックスできる場所で、余計な緊張感なく診療を受けてもらえる」と話す。


来田さんは「患者が望むのは、地域格差や時間の障壁がなく、切実な気持ちに寄り添った治療。勇気をもって病院に行かないと薬が手に入らないというところから、スマホの中に医者がいて、気軽に手に入れられるというところに変えていきたい」と思い描く。

患者にとっての選択肢を増やすことが、ひいては日本の医療を下支えすることにつながる、とふたりは話す。「病院は、行く必要のあるときだけ行かなくてはいけない。そういう風に変えていければ、街の医師たちの負担を減らすことになり、彼らは一人ひとりの患者とより丁寧に向き合えるようになる。患者さんにとっても、限りある時間を、自分のため、家族のため、もっと有意義に使えるようになる」と来田さん。

スマホの中に医者がいる。そんなDMMオンラインクリニックは、「身近な医療」のあり方を再定義しようとしている。