2022.08.09
GOOD FOOD&CRAFT
nittoh.1909
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アールグレイに代表されるフレーバードティーの製造は、茶葉特有の香りと茶葉に吹きかける香料とのバランスが非常に難しいとされる。香りが引き立ちすぎては、紅茶全体の味わいを損ねることにもなりかねない。そこで量の微調整がきく香料とは一線を画し、もぎたて果実の新鮮かつ優しい風味をしっかりと残す「フレッシュアロマ製法(特許申請中)」という新製法から生まれたのが「Botanytea(ボタニティー)」だ。
名称は英語のBotanical(植物の)とTea(お茶)を組み合わせた。茶葉は静岡県産を使用。果物は有機栽培にこだわる小豆島産ベルガモットを使っている。「お互い日本産にこだわって物づくりに励む生産者さんとコラボレーションしたかった」との想いで商品開発したのは、三井農林R&D本部茶葉開発室の秋林健一さんだ。
入社時は品質管理部門に配属された秋林さん、当時はお茶に関心はなく、自宅で飲むこともほとんどなかったという。しかし、2012年に原料の購買部門に配属され、中国や台湾の茶産地を巡る機会にめぐまれ、製法や種類の多さ、奥深さに探究心をくすぐられた。
食の安全性に関わる問題などで中国茶消費量の減少が続く中、中国茶の魅力を発信すべく、自ら静岡県内にある工房を借り国産の生葉を使ってウーロン茶づくりに取り組んだ。2020年から約1年かけて開発した紅茶Botanyteaは、そんな飽くなき探究心の延長線上にある。いわばメイド・バイ・秋林なのだ。
香料を使わずにベルガモットの香りをしっかりと付けるため、会社の研究室にこもり、香り付けの条件を変えながら試作を繰り返し、ついに最適解を見つけ誕生したBotanytea。ペアリングとして秋林さんのオススメは、レアチーズケーキ、羊羹、そして意外にもサンドイッチも合うそうだ。
戦後、鹿児島で茶園を営み、和紅茶の研究・栽培にも携わった三井農林が挑む和紅茶への再挑戦。「日本の紅茶ブランドとしての自負がある」と、秋林さんは他の国産果物の採用も検討中だという。
Botanyteaは秋林さん手づくりのため、年間生産量は数キロ程度の限定品。商品はドリップパッグとリーフで販売しており、三井農林が運営するオンラインサイト「nittoh.1909」から購入できる。