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科学の視点で、よい未来へ 有明で開催「サイエンスアゴラ」

科学技術振興機構(JST)(1U-10)

日常のなかにある「ちょっとした不思議」を入り口に、サイエンスの広く深い世界へ踏み出してほしい。そんなメッセージを込めて、科学技術振興機構(JST)が主催する「サイエンスアゴラ2024」が10月26日、27日に催される。会場は東京・お台場のテレコムセンタービルと日本科学未来館。GOOD LIFE フェアが開かれている東京ビッグサイトからも近く、両方にお出かけしてみてはどうだろうか?

19回目を迎える今回のテーマは「サイエンスと共に未来へ ~Bound for the future with Science~」。最新のVR技術を用いて恐竜の骨格を観察する体験や、人と生成AIの共生を探る未来のテクノロジーまで、約150のプログラムが出展される。

プログラムは生物学や化学といった自然科学にとどまらず、人文・社会科学も含めた幅広い内容で構成されている。会場では、来場する人がそれぞれの興味に沿って楽しめるよう、各プログラムを「学び・体験・ものづくり」「食・暮らし・健康」「地球・生き物・私たち」「研究・対話・エンタメ」「街・空間・身体拡張」という5つのジャンルに分けて配置する。

来場者一人ひとりに合った出展を楽しんでもらうため、人工知能(AI)がおすすめのプログラムを紹介してくれる「AIブースラリー」という企画もある。そうした取り組みを通じて目指しているのは、子どもからお年寄り、企業で働く人、研究者まで、さまざまな立場の人が一緒に楽しめる科学のイベントだ。

「アゴラ」とは、古代ギリシア都市でコミュニティーの中心にあった広場のことを指す言葉。「サイエンスアゴラ」は、さまざまな分野や年代、国籍を超えて、あらゆる人に開かれた、科学と社会をつなぐ広場という意味を込めて名づけられた。気候変動や感染症、食糧不足など、世界を覆う難題の解決策を科学の視点から探りつつ、より良い未来社会を築くためのヒントを見いだそうと、2006年から毎年秋に開かれてきた。

たとえば「地球・生き物・私たち」のジャンルの中から、「バーチャル技術で学んで楽しむ未来の恐竜学」のブース(テレコムセンタービル1階)をのぞいてみよう。これは、25年春に国内初となる「恐竜学部」(仮称)を開設する、福井県立大学の恐竜学研究所とJST社会技術研究開発センターによる展示コンテンツだ。

福井県で化石が発掘された恐竜の骨格を、VR技術で来場者に観察してもらう大迫力の体験になるという。バーチャル空間に作られた恐竜展を見て歩くコーナーもあり、いずれも太古の地球や生物の進化について考えをめぐらせるブースになっている。

出展側の参加者が、大学機関や高校の科学部、外国の大使館など幅広いのも、このイベントの大きな特徴。宇宙にたくさんあるはずなのに、いまだに観測されていない「暗黒物質(ダークマター)」についてのプログラムでは、この分野で最先端の探求に取り組む東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構の村山斉特別教授が登壇する。

サイエンスアゴラのコンセプトを紹介する動画では、20世紀の科学技術のあり方について、「富や力の追求と並行して発展してきたものの、限りある地球資源と世界のひずみを前に限界も見え始めている」との見方を紹介している。

「成長」から「成熟」の段階にうつり、多くの問題も抱えるようになって先行きが見えにくい今の日本では、「様々な立場の関係者が集まる場をつくり、科学と社会のこれからを考えて未来をつくっていくことが必要で、その文化を育てていきたい」というメッセージを打ち出している。

新型コロナが5類に移行した昨年の開催では、実際の会場とオンラインとで計9000人弱が来場した。リアル開催が行われた年は例年、子どもも大勢訪れ、各プログラムでの体験・見学に目を輝かせる姿が会場いっぱいにあふれるという。

JSTの担当者は「さまざまな科学技術や研究に接することで、知らない世界に触れる喜びを感じてもらえると思う。科学に対する視点や考え方について、研究者の生の声を聞けるのも大きな魅力です」とアピールしている。

> 空の色はなぜ変わる? 先生も子どもも学べるSTEAM教育サイト