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ストーリーPLUS

interview
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話せる機能を電球に搭載 停電したときも家族の安心に

ビザイア(1R-06)

いちど部屋に取り付けるとそのまま何となく使いがちな「電球」。そこにAIの技術を取り込んだら?

そんなアイデアのLED電球を開発したのは中国・深圳に開発拠点を置き、日本市場でAI技術を駆使したオリジナルの家電用品を販売するベンチャー企業のビザイア(東京都台東区)。最先端の技術を日常のアイテムに生かすことで、これまでになかった快適さや便利さを提案する商品ブランド「LivAia!(リバイア)」の新製品だ。

部屋のソケットに取りつけた電球に「明かりをつけて」と話しかけると、電球が人のことばを聞き取って「ライトをつけたよ」と音声で返事をしながら点灯する。「暖かい色にして」と伝えると「くつろぎ気分ですね」と返し、ライトが暖色に変わる。光の色は「昼光色」「昼白色」「電球色」の3種類があり、光の強さも9段階で調節できる。例えば30分や1時間など、時間を伝えればタイマー設定もできるという。

このように対話をしながら操作できるのは、電球自体に高性能な大規模言語モデルの音声認識チップが搭載されているからだ。マイクとスピーカーを内蔵し、簡単な音声指示だけで反応するように設計されている。

使い方などの特徴は一見、一般の電球とほとんど変わらない。通常、音声操作の電化製品はインターネットに接続して使われることが多く、端末の準備やスマートフォンの設定などが必要になるが、そうした設定は不要で、電球ソケットにさし込むだけで使える。ネットにつながっていないためセキュリティー面でも安心という。

この電球には、もう一つ大きな強みがある。それは、電球内にバッテリーを内蔵していること。ソケットにつけてあれば自動で充電され、地震や台風など、予期しない停電になると自動でパッと点灯する。通常時の半分の明るさなら連続で12時間ほど点灯し続けるうえ、ソケットから取り外し、懐中電灯として持ち歩いて使うこともできる。

こうした「防災電球」としての機能にも音声認識機能が役立っており、「助けて」と呼びかけると「モールス信号」に対応する光点滅と、ブザー音声を72時間絶えず発信する仕組みになっている。

電球が日々の暮らしをより充実させ、さらには災害時も「安心」を提供できる。このような商品づくりを担当したビザイアの辻智宏さんによると、開発のなかで一番苦労したのはやはり音声認識の精度を高めることだったそうだ。

電球に取り付けた音声を認識する小さなチップは、中国科学院声学研究所と共同で開発した最先端のオフライン式日本語音声認識チップだ。この開発には、ビザイアが電球に先立って開発・発売した翻訳機の技術も生かされている。

さらに、電球の開発では、年齢層・性別・地域によって多様なイントネーションをもつ日本人の声をより正しく認識するため、大規模なテストを繰り返し実施することで、機能性・実用性を高めたという。

また、台風や地震などに見舞われる機会の多い日本で「防災電球」として活用するため、いざというときに様々な状況でトラブルなく点灯できるような動作確認にも念入りに取り組んだ。こうした経緯から、一般社団法人フェーズフリー協会が認証する、「日常時にも防災時にも役立つ商品」の証明となるフェーズフリー認証も取得した。

今後は、ビザイアの強みとなる最先端の音声認識技術を駆使し、独自開発した音声認知AIモジュールと音声認知ソリューションを生かした新しい生活家電製品を続々と提案していく予定だ。年内には、オフライン式の声だけで家中の生活家電が操作できるナイトライト、マルチリモコンの「楽リモ」、シーリングライト、ファンライトなどの音声操作家電を順次発売する予定だという。

辻さんは「私たちが力を入れてきた音声認識の分野を軸としながら、新しい技術と組み合わせることで暮らしがより便利になる製品やサービスを展開していきたい」と話している。