
よく眠り、心地よく目覚めたい。そう思ってベッドに入ったはずなのに、スマホを眺めるうちに気づくと頭が覚醒してしまい、かえって眠れなくなってしまう。こんな悩みを持つ人は、この機会に“眠り専用”のアイテムに注目してはいかがだろうか。
株式会社クロアが開発した「nemcaro」(ネムカロ)はまさにそんな選択肢のひとつ。3Dサウンドの音楽と、アロマの香りで部屋を満たす空間演出デバイスだ。片手で持ち運べるシンプルな設計の商品が、あなたの睡眠や人生に大きな変化をもたらしてくれるかもしれない。
同社は音楽や動画の配信をはじめとするヒーリングコンテンツ事業を中心に据える企業で、音楽家としてポピュラー音楽や映画・テレビの音楽などを多数手がけてきた戸部田 馬準(トベタ・バジュン)さんが代表を務める。
「商業音楽が広がる前の原初的な音楽は、薬のように人を助けるものとして使われていて、それが本来の意味だと思います。そして今、社会課題や世の中が求めていることに応えるものとして、音楽の価値を届けていきたい」(戸部田さん)という思いが、同社の原点にあるという。
現代人が抱えがちな眠りの問題に着目した。オフィスや街、移動時間と膨大な情報やコンテンツにさらされる日々のなかで、一日を終えてリセットするための寝室を、大自然に包まれるような特別な空間に変えることを目的に「nemcaro」は開発された。医学や理学の専門家の知見も交え、自然音やソルフェジオ周波数の音楽を交えた癒やしの音源を多数収録。立体音響により音の強弱や時間差も心地良く感じ取れるように工夫されている。その一方で、Bluetoothなどの接続機能をあえて排除し、本体ボタンだけで直感的に操作できる設計に。シンプルさを徹底することで、“デジタルデトックス”という新たな価値をもたらしている。

本体の上部から設置できるアロマディフューザーには好みの香り(アロマオイル)をセットでき、理想の空間を一台でかなえられる。商品名は戸部田さんの出身である九州の方言「眠かろ(眠たいでしょう)」から。スマホから手を放し、優しい響きと香りを感じ、思考を閉じていく心地よさを体感してほしい。
商品のコンセプトをクラウドファンディングで公開し支援を求めたところ、目標を大きく上回る数の支援が寄せられた。「こういう商品を待っていた」「睡眠は、人生の豊かさに直結すると思うから応援したい」という声に、睡眠に課題を感じる人の多さを改めて感じたという。同社はnemcaroをきっかけに、様々なプロダクトやコンテンツを今後も展開していく考えだ。

今年3月には都内に美容鍼サロン「Relaxest」を開設した。こちらでも五感に響く音や香りの演出にこだわりながら、自律神経を整えて、心身の美や健康を引き出す施術を提供しており、美容への関心が高い層を中心に高い評価が集まっている。GOOD LIFE フェア会場でもこうした癒やしの空間と体験を来場者に伝えたいという。
テクノロジーが進化するなかで、人が本質的に幸せでいられるには。音楽を原点に生まれたクロアは、その手がかりを社会に届け続ける。