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ストーリーPLUS

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“もっと広がる”まなび博- sponsored -

空の色はなぜ変わる? 先生も子どもも学べるSTEAM教育サイト

科学技術振興機構(JST)(1U-10)

サイエンスティームのロゴ

文系や理系の枠をこえて学び、問題を見つける力や解決する力をはぐくむ「STEAM教育」が注目されている。日本の科学技術の発展のために活動する国立研究開発法人科学技術振興機構(Japan Science and Technology Agency、略称:JST)はこのたび、STEAM教育をさらに広げていこうとお役立ち情報を集めたサイト「サイエンスティーム」を開設した。

STEAMとは科学(サイエンス)、技術(テクノロジー)、工学(エンジニアリング)、芸術(アート/リベラルアーツ)、数学(マスマティクス)の英語の頭文字を並べた言葉だ。アートは美術的な意味合いだけでなく、創造性を大切にするという発想がある。こういった領域を横断的に学ぶことを通して、柔軟な発想を育て、さまざまな社会的課題の解決などにつなげていくという狙いがある。

これからの教育においては、AI(人工知能)やIoT(多種多様なモノがインターネットへ接続すること)など、急速な技術の発展に対応できる人材を育てることが求められている。また少子高齢化など社会の難しい課題や、環境の変化などを解決するには、これまで以上に複合的な視点が欠かせないという状況もある。

日本では2010年代後半から、STEAM教育をめぐる議論が進むようになった。文部科学省の学習指導要領でも、STEAM教育の観点からの「課題発見・解決型」の授業を採り入れることが盛り込まれている。ただ、生徒たちと日ごろ向き合う教員たちからは「何をやったらいいのかわからない」という声もあがってきているという。

サイエンスティームの開設に携わったJST総務部ポータル課の担当者は、「日々の授業や業務に時間をとられる教育現場からの悩みも受けて、STEAM教育とは何かを考えるきっかけや、まずは楽しんで取り組むための窓口としてサイトを公開しました」と話す。

サイトは「教育関係者向け」と「児童生徒向け」の2つのページから構成されており、様々な立場の人に役立つコンテンツをそろえている。

「教育関係者向け」のページでは、「STEAM教育事例一覧」として、各地の小学校や中学校、高校での授業の実践例を紹介している。たとえば、埼玉県久喜市の小学校で実施された「めざせ!フードマイスター」。自分たちの給食や栄養素について調べるなかで食の意味を考え、チャートやワークシートを活用しながら将来の食糧危機について意見交換をするといった授業例が示されている。

このように、20校以上の事例(取材時点)について、授業の様子の画像や授業計画案、指導に使った資料、ワークシートなどを見て、学校現場で授業づくりに役立つ参考情報を得ることができる。また授業内容を考える際の手引書となる補助教材「STEAM教育スターターキット」もダウンロードできる。

「児童生徒向け」のページは、動画や写真をたくさん使って、子どもたちが楽しんで見られる工夫をこらしている。「動画でまなぶ」のコーナーでは、気象や生物など、身近なサイエンスやものづくりに関する話題を収録。小学校低学年編、小学校高学年編、中学校編、高校編に分けて展開するシリーズも設けている。

「STEAMのチカラで、未来を作ろう。」シリーズ小学校低学年編の「昼の空はどうして青い?空の色を調べてみよう!」は、空の色が日中は青く、日没前は赤く変わるのはどうしてかといった、普段はあまり考えないテーマについて「STEAM」の考え方にそって探っていく内容だ。

科学と暮らしの関係や科学そのものの魅力を紹介したコンテンツも「記事を読む」にまとめ、子どもたちが思考力や創造性を伸ばしていくきっかけをたくさん提供しており、家庭のなかでの学びにも一役買いそうだ。

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