
銀座三越 化粧品バイヤー 松原麻美さん

銀座はサロンや美容クリニックが多く、美と健康に対する感度の高い方が集まる街です。その中心地にあるフロアとして、美の集客ナンバー1を目指しています。お客様がご自身の「きれい」をアップデートできるような場をつくりたいと思っています。
化粧品業界では、SNSでの情報発信が増えています。私も、インスタグラムで情報収集したり、ターゲットに近い方が使っているアイテムを調べたりしますが、投稿内容は様々ですし、やはり実際に商品を見て、確かめて、背景まで知らなければ、お客様にお薦めはできません。
お客様にとって「買う」ということは、そのブランドを「支持」すること。コロナ禍で思うように外出ができなかった時期を経て、すぐに店に行って店員に聞いて買う、という従来のお買い物の流れは変わり、事前にSNSやインターネットを通じて「買うに値するブランドなのか」ということを調べ、吟味なさる方が増えていると感じます。
その点でも、ブランドの背景やストーリーは重要ですね。売り場で、お客様が商品に興味をもって足を止め、次のアクションに移るかどうかが決まるのは、ほんの一瞬。その5秒ないし10秒ほどで、商品の特徴や、ブランドのユニークさ、ほかのブランドとどう違うかを明確に打ち出せているブランドは強いです。
GOOD LIFE フェアでは、「健康&ビューティエリア」と「SDGsマーケット」に関心があります。SDGsに関するどのような取り組みをしている企業があるか、ぜひ見たいと思っています。
銀座三越 和洋菓子バイヤー 大澤邦英さん

私が大事にしているのは、何よりも「情報」。展示会は、作り手の熱い思い入れや、商品に詰まった背景、お客様の関心が反映されたものづくりなど、情報をワンストップで集められる場ですよね。
今年のGOOD LIFE フェアで注目するのは、プラントベースマーケットです。銀座三越では、「美と健康」をテーマに、ヴィーガンブランドやオーガニックスイーツなど「おいしい」だけでなく付加価値のある商品を数多く扱っています。
お客様の嗜好やライフスタイルは多様ですし、アレルギーをもつ方、動物性の食品を取らない方も増えています。以前担当していた店舗では、百貨店としていち早くハラルフードを取り入れたのですが、それはイスラム教徒のお客様のお困りごとがきっかけでした。いま、銀座三越でも、アレルゲンフリーやグルテンフリーの食品など、お客様のお困りごとをポジティブに解決できるような企画づくりをしているところです。
土地柄、観光で訪れるお客様も多くいらっしゃいます。食品フロアのご案内カウンターでは1カ月に約5000件のお問い合わせをいただきますが、中でも多いご質問は何だと思いますか。
それは、「ここでしか買えないものって何ですか?」というものです。
お客様が求めるのは、気品があって上質で、奇をてらわなくていいけれどセンスがよく、おしゃれなもの。こうしたニーズは、バイヤーとしての商品選びにも反映されています。
私たちがめざすのは、3年後に銀座三越が、世界で唯一無二のコンセプチュアルストアになること。「憧れの銀座三越」となれるよう、魅力的な人・もの・情報が集まる場所をつくっていきたいと思います。