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ストーリーPLUS

interview
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これからの住宅ローン 暮らしの未来図をどう描く?

住宅金融支援機構(1L-71)

人生で最も大きな買い物ともいわれるマイホーム。これから購入を考える人にとって、いまは悩ましく、より戦略的な判断が求められる時代に入っている。資材価格や人件費の高騰を背景に住宅価格は上昇傾向が続き、さらに日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、長らく低水準で推移してきた住宅ローン金利も動き始めた。

住宅ローンを選ぶ際、多くの人が悩むのが「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶかという点だ。

「この判断で大切なのは、目先の金利差だけを見ることではありません。将来どのような人生を送りたいのか、どのようなリスクに備えたいのかを考えながら選ぶことが重要です」

こう話すのは、住宅ローンに関する支援を通じて国民の暮らしの向上に取り組む住宅金融支援機構の小倉一晃さんだ。

住宅ローンの金利タイプは、大きく二つに分けられる。一つは、政策金利などの影響を受け、返済期間中にも金利が変動する「変動金利型」。もう一つは、借入時の金利が返済終了まで変わらない「全期間固定金利型」だ。

一般的に、借入当初の金利は変動金利型のほうが低い。一方、全期間固定金利型では、将来の金利上昇リスクを金融機関が引き受ける。そのため、両者の金利差は「将来の金利変動リスクを誰が負担するか」に対するコストとも考えられる。

実際に、住宅ローンを選ぶ人の意識にも変化が出てきたという。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】の申込件数は、2024年は約3万8,000件だったが、2025年には約5万2,000件へ増加した。マイナス金利解除以前は減少傾向にあったことを踏まえると、大きな転換点といえる。2026年に入ってからも前年を上回るペースで推移しているという。

一方で、【フラット35】の金利自体も上昇しており、2026年には3%を上回る水準になってきた。「自分に合った金利タイプはどちらなのか」をより慎重に見極める人が増えていると小倉さんは語る。

住宅ローンの返済期間は、通常数十年単位に及ぶ。35年前を振り返れば、日本はバブル期にあり、住宅ローン金利が8%を超える水準だった時期もあった。将来の金利がどのように推移するか、正確に予測できる人はいない。だからこそ「将来どうなるかわからない」という前提で考えることが重要だという。

人生にはさまざまなライフイベントが待っている。子どもを持つかどうか、何人育てるのか、親との同居や介護が必要になる可能性はあるのか――。こうした将来の出来事は、家計に影響を与える不確定要素でもある。住宅購入は、こうした人生設計を改めて見つめ直す機会でもある。将来の支出をできるだけ見通しやすくしたい人にとっては、返済額が確定する固定金利を選択肢として検討する価値があるだろう。

住宅に関するローンは、高齢期の住まいにも関わる。住宅金融支援機構と提携している金融機関が満60歳以上から利用できる住宅ローン【リ・バース60】を提供している。毎月の支払いは利息のみとし、元金は契約者の死亡後に担保となっている住宅の売却などによって返済する仕組みだ。

近年利用が広がった背景には、2017年度に導入された「ノンリコース型」の存在がある。このタイプでは、住宅の売却代金が借入残高に届かなかった場合でも、不足分を相続人が返済する必要はない。そのため、「子どもに負担を残したくない」という不安が和らいだ。2025年度に申し込んだ人の99%が、このノンリコース型を選んでいるという。

利用目的としては、戸建て住宅のリフォームが28.2%、注文住宅(建て替えなど)が27.5%を占め、全体の半数以上となっている。健康寿命が延び、趣味や生きがいを持ちながら長く暮らす人が増えるなか、「古くなった家に我慢して住み続ける」のではなく、ライフステージや事情に応じて住まいを整え直すという選択がしやすくなっている。

住宅ローンは、単なる資金調達の手段ではない。自分や家族の人生設計を見据え、自分の価値観や将来のリスクに合わせて選択することが、後悔のない暮らしを描く第一歩となる。